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頭のサイズにまつわる迷信

『「頭ちっちゃい!」。これ以上奇妙なお世辞はいまだかつて、聞いたことがない。
完璧な髪型とメイクをした日本の可愛いファションガールが放つ、私の頭のサイズについての羨望の言葉だ。どうやら私には頭のスタイリングに関する才能があるらしい。なぜなら本当は頭がとても大きいのをうまくカムフラージュすることに成功してきたからだ。

帽子のサイズはあわない。(中略)写真には私と私のXLの頭、帽子をかぶる栄誉にあずかるの図!でも眼鏡がきつくて失神しそう!』
外国人記者がみたTokyoファション ティファニー.ゴトイ=文・写真(YOMIURI STYLE MAGAZINE)「サイズは肝心」より - 外国人記者の記事を検証しながら、常々感じている頭のサイズにまつわる迷信を、じっくり考えてみましょう。

この記事を目にして、 日本人が思い描く、「外国人は頭が小さい」という思い込みはどこからくるのか?それは、「外国人は顔が小さくみえる、だから頭も小さい。」という図式がすでに出来上がっているという事に改めて気がつきました。
一般的に言って、同じ58センチのサイズでも、頭の形を上からみると、日本人は頭の奥行きより、顔幅が際立つ丸形。西洋人は奥行きがある楕円形。人の頭の形なんて、真上からみる機会はないですから、特別意識することもないというのが正直なところでしょう。実際のところは「顔が小さい=頭が小さい」ではないのに、一見、顔が小さくみえる人に対して「頭ちっちゃい!」と発言してしまうのですね。
私はこれまで多くのお客様に接してきましたが、小顔にみえて、意外に頭のサイズが大きい人もいます。(近頃、日本人にも多くなりました。でも心配しないで、帽子をかぶりこなすのに適した頭の形ですから。)

顔の大きさには敏感になるのに、頭の形にはあまり意識がいかないのは、日本人の顔形にあるのかもしれません。日本人はあまり、横顔と正面の顔の印象の差がないですよね。だからあまり意識する必要がないのかもしれません。
例えば外国人男性の横顔をみて、素敵!と思って、正面から顔を確かめたらガッカリという経験はないですか?私は何度もありますよ。(だまされた~!!という気分)
白鳥の横顔は端正にみえるけど、正面はちょっと間抜けなのに似ているかな。また世界中で人気の日本のキティーは正面顔で勝負していますよね。(どちらが良いという訳ではなく、個性として捉えるのがいいのではないでしょうか。)

また、お客さまの中には、外国の帽子店で、日本でのサイズを頼りに帽子を選んだら、「帽子がきつくて、自分は頭が大きいみたいなんです。」と言われる方がいらっしゃいます。帽子の木型がその方の頭の形に合わなかっただけです。それだけで、自分は頭が大きいと誤解する方も多いのです。

帽子はもちろん、その国(例えばイギリス、フランス)の人の頭の形に適した木型で制作されています。上記に述べた様に、日本人の頭の形は丸形が多いので、西洋人のための楕円の木型から制作された帽子は、大抵は前後は余裕があるのに、サイドがきついという方が多いのです。また、日本でも帽子のルーツはイギリスやフランスなので、帽子の理想の形としては、楕円形に近い木型が多く用いられているのが現状です。

私は頭のサイズは55センチ、なにより、頭の形が、楕円に近い型で合うので、フランスにいた時も帽子で困ることはなかったのですが、ヴィンテージの帽子等は、かぶり方が髪の上にのせるタイプの物が多く、今のヘアスタイルではかぶれませんでした。
また、日本のセレクトショップでは、店員さんが、「私には小さいけど、お客様なら顔が小さいから似合いますよ。是非かぶってみて下さい。」といってインポート物の帽子を勧められることがよくあります。「顔も小さいし、頭も小さいから、かぶれるんですね!」と念押しされると、複雑な気分。

外国人記者が述べるまでもなく、おしゃれで華奢な店員にそう言われると、日本で売るのなら、もっと最初に制作するときに木型を日本人対応にしてもらうとか、平均的な日本人の店員が、かぶって試せない帽子をバイヤーは買い付けてこないとか、日本人のためのサイズを吟味して帽子を選んでほしい思っています。素敵な帽子に出会って、試そうとしたら、小さい、、、なんて!?。こんな事で帽子を嫌いにならないで下さいね。

日本人のスタイルは、目を見張るほど良くなってきていますね。頭の形も確実に帽子向きの頭の人が増えたと思います。だから頭のサイズの迷信に惑わされず、自信をもって帽子をかぶってみて下さいね。
極論を言えば、頭のサイズが大きくでも、「帽子は似合う」。ただし、自分のサイズに合う、かぶり心地よい帽子を選んでくださいね。
クリエーターとしては、頭の大きさを感じさせず、楽しんでかぶってもらえる帽子づくりを心がけています。

先日、自由ヶ丘にある『TIME&STYLE』にジャズを聞きに行きました。天井が高く、広いスペースは開放感があって気持ちがいい。そこで夏の帽子をさりげなくかぶっている女性に目が釘付け。黒のノースリーブのワンピースに生成のキャプリーヌ。そこだけ涼しい風が吹いているようでした。お顔だちは決して、今どきの小顔ではないけれど、帽子が生み出す陰影を計算したスタイル。文句なく帽子美人でした。

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